分からない単語をクリックしてください。読みと意味が右に表示されます。
WIMPYとの
再会
もう
十
年
も
前
、
私
が
ロンドン
で
短期
の
ホームステイ
をして
い
た
頃
、
あちこち
に「WIMPY(ウィンピー)」という
名
のファーストフード
店
があった。wimpyという
の
はBritish Englishで
ハンバーガー
の
愛称
な
の
だが、
この
店
の
ハンバーガー
は
まずい
こと
で
有名
だった。
かの
「
地球
の
歩き
方
」にも「
想像
を
絶する
まず
さ
」「
話
の
種
に
一度
挑戦
して
みよ
う」と
紹介
されて
い
たほどである。
その
頃
の「
地球
の
歩き
方
」といえば、
野宿
あり
ヒッチハイク
ありの
貧乏
な
バック
パッカー
の
友
だった。
紙質
も
悪く
やたら
分厚く
、
背負っ
た
荷物
を
減らす
ため
に
回っ
た
土地
の
ページ
を
どんどん
破り
捨て
て
いく
の
が
通
だった。
口コミ
情報
も
多かっ
たがその
分
間違っ
た
記述
もあって、
口
の
悪い
輩
は「
地球
の
迷い
方
」と
呼ん
で
い
た。
そんな
貧乏
旅行
の
人々
をして「
想像
を
絶する
まず
さ
」といわしめるWIMPYだったが、
本当に
まずい
の
か
どう
かは
私
の
周り
では
誰
も
食べ
た
こと
が
ない
の
で
わから
なかった。
ファーストフード
店
の
メニュー
は
同じ
よう
に
見える
が、
実は
その
土地
の
ニーズ
に
合わせ
て
微妙
に
変え
て
ある
。
たとえば
イギリス
の
マクドナルド
には
その頃
から
メニュー
に
紅茶
があって、
コーヒー
用
クリーム
ではなく
ミルク
の
パック
を
ごろごろ
と
つけ
て
くれ
たし、
ドイツ
で
入っ
た
マクドナルド
には
ビール
が
メニュー
にあった
覚え
がある。
国内
勢力
であるWIMPYは
イギリス
の
名物
料理
とされるfish'n'chips(フィッシュ・
アンド
・
チップ
ス)が
メニュー
にあった。
これ
は
文字どおり
魚
の
フライ
(fish)に
大量
の
ポテト
フライ
(chips)を
付け合わせ
て
酢
と
塩
を
たっぷり
かける
単純
な
食べ物
である。
多分
発音
は「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」に
近い
と
思う
。
本来
は
町
角
の
屋台
で
揚げたて
の
アツアツ
を
新聞紙
で
直に
包ん
だ
もの
を
買っ
て、
そのまま
指
でハフハフと
食べる
もの
だったらしい。
包ん
だ
新聞紙
の
紙質
や
インク
で
味
が
決まる
といわれ、
タイムズ
が
おいしい
とか
デイリー
ミラー
が
いい
とか
言わ
れて
い
た
そう
だが、
新聞紙
で
包む
の
は
今
は
禁止
されて
いる
という。
屋台
で
買っ
てもプラスティックの
トレイ
と
フォーク
が
つい
て
わら半紙
で
包ん
で
あっ
たりする。
なぜ
WIMPYにフィッシュ・
アンド
・
チップ
スがある
こと
を
知っ
た
の
かは
覚え
て
い
ないが、一
ヶ月
の
滞在
期間
で2〜3
回
食べ
た
記憶
がある。
頼む
の
は
いつも
「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」と
コカコーラ
。
ハンバーガー
なら
ともかく
、
魚
を
ただ
揚げ
た
もの
と
じゃがいも
を
ただ
揚げ
た
もの
、
それ
と
世界
水準
の
コカコーラ
なら
外れる
可能
性
は
極めて
低い
。
小さな
赤い
箱
に
入っ
て
い
て、
味
も
形態
も
ちょうど
ケンタッキー
フライ
ド
チキン
のフィッシュフライと
ポテト
フライ
を
合わせ
た
よう
な
もの
である。
実際
、
日本
に
帰っ
てからも
懐かしん
で何
回
か
ケンタッキー
フライ
ド
チキン
で
食べ
た
もの
だ。
屋台
の
を
食べる
勇気
も、
レストラン
の
を
食べる
お金
も
なかっ
た
私
は、「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」といえばWIMPYの
他
には
ス
テイ
先
の
お母さん
が
作る
の
しか
知ら
なかった。といっても
スーパー
で
売っ
て
いる
もの
を
ただ
揚げ
た
もの
らしく、
小さな
四角い
形
をして
い
た。
後年
レストラン
に
入っ
て、
皿
から
はみ出さ
んばかりの
魚
の
大き
さ
に
驚い
た
もの
である。
その
頃
の
私
は
極貧
生活
を
送っ
て
い
て、
なおかつ
ス
テイ
先
の
晩
ご飯
が
あまりに
口
に
合わ
ないので
お昼
を
リンゴ
一
個
で
済ませ
て
い
た。
倹約
と
空腹
を
保っ
て
い
た
の
である。
が
、
ある
日
どうしても
「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」を
食べ
たく
なっ
て、
語学
学校
の
帰り
にWIMPYに
寄っ
て
食べ
た。
そして
家
に
帰り
着い
た
満腹
な
私
を
迎え
た
の
は、
お母さん
の
用意
した「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」だった。
世の中
の
皮肉
な
巡り
合わせ
を
しみじみ
と
感じ
た
もの
である。
という
わけ
で、WIMPYには
私
の「
青春
の
思い出
」があった
の
だが、
あれ
だけあったWIMPYを
今回
さっぱり
見かけ
なく
なっ
て
しまっ
た。
現地
の
人
に
聞い
ても
ピン
と
来
ないらしい。
バス
で
通っ
た
ロンドン
の
場末
の
ところ
で
一軒
だけ
見かけ
た
の
だが、
あの
WIMPYな
の
だろうか。
それとも
まったく
別物
だろうか。
確かめる
すべ
も
なく
月日
は
過ぎ
て
いっ
たが、
先日
ケンブリッジ
の
北の方
にある
ピーター
バラ
(
Peterbourogh
)に
遊び
に
行っ
てWIMPYを
見つけ
た
の
である。
ピーター
バラ
は
鉄道
の
要所
で、
かの
トーマス
クック
(Thomas Cook)の
時刻
表
が
最初
に
作ら
れた
ところ
だという。
へぇ
、
ここ
でねぇ…などと
感慨
を
覚え
つつ
街
を
ぶらつい
て
い
て
発見
したWIMPYは、
なんと
ファーストフードから
ファミリーレストラン
へと
華麗
なる
変貌
を
遂げ
て
い
た。といっても
見る
からに、
元
は
バーガー
屋
でした
ぁ、と
いう
たたずまい
である。
正面
に
カウンター
と
キッチン
があり、
テーブル
と
椅子
が
不自然
に
ぎゅうぎゅう
と
セット
されて
いる
。
一応
ウエィトレスが
注文
を
取り
にくる。
メニュー
は
ハンバーグ
に
ジャケット
ポテト
、
アイスクリーム
サンデー
の
類
。
そして
、あった、ありましたよ、「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」。
もちろん
「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」と
コーラ
を
頼む
。
しばらく
して
出
て
き
た
それ
は
気取っ
て
瀬戸物
の
食器
に
盛りつけ
られては
いる
が、
まさに
あの
形
、
あの
味
である。
安っぽい
タルタルソース
が
つい
て
くる
ところ
まで
その
まま
である。
コカコーラ
を
ぐびぐび
と
飲み
、
熱々
の「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」を
ほおばっ
た。
これ
な
ん
だよ
ねぇ
、
私
の
知っ
て
る
「
ふ
ぃ
っ
し
ん
ちっ
ぷ
す」は、などと
浮か
れて
口
を
つく
。
どうやら
WIMPYは
拠点
を
絞っ
て
単価
を
あげる
という
作戦
に
出
たらしい。
魚
の
フライ
と
ポテト
フライ
で3£
なにがし
かという
値段
は
決して
安く
ない。
これ
から
他
の
場所
で
見かけ
ても、
きっと
もう
行か
ないだ
ろう
な、と
思う
。
私
の
中
では
切り
が
つい
て
しまっ
た。
それにしても
あの
頃
は
一体
いくら
払っ
て
い
た
の
だろうか。
お
小遣い
帳
を
つけ
て
おけ
ば
よかっ
た。
(c) reikona
あなたの単語リスト
上の文の単語をクリックするとここにリストが表示されます