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第
2
日
目
マドリード
〜トレド〜ピンチョン〜
マドリード
マドリード
の「フロリダノルテ」という
ホテル
は、「エスタシヨン デ ノルテ」
つまり
北
駅
の
真向い
、
フロリダ
通り
にあって、
繁華
街
から
そう
遠く
ないけれど、
中級
の、
ありふれ
た
ホテル
だった。
朝食
も
コンチネンタル
スタイル
で
簡素
な
物
だ。
夜明け
が
遅い
ので、
暗い
うち
に
バス
でトレドに
向かっ
た。
自動車
道路
は
信号
が
殆ど
なく
、
バス
は
すぐ
100
キロ
ほどの
スピード
を
出し
て、
渋滞
もなく、
郊外
へ
出
た。
郊外
は
高層
の
新築
マンション
が
建ち並ん
で
いる
。
ガイド
さん
の
話
では、
スペイン
は
今
、
景気
が
良く
、
自動車
と
マンション
が
良く
売れ
て、
新築
ラッシュ
な
の
だ
そう
だ。
3DK
で1500万
円
ぐらいだとか。
一戸建て
は
とても
高い
ので、
殆ど
の
人
は
集合
住宅
に
住ん
で
いる
の
だ
そう
だ。
より
郊外
に
行く
と、
高層
ではなく、
棟
割り
長屋
ふう
の、
しゃれ
た
庭付き
の
集合
住宅
が
多く
なる
。
そして
、
周囲
は、
取り入れ
の
終わっ
た
麦畑
が
地平線
まで
続き
、
木
が
ない
ので
閑散と
した
風景
である。
曇っ
て
いる
けれど、
雲
の
切れ目
から
覗く
青空
は
瑠璃
色
に
澄ん
で
い
た。
マドリード
は
高原
地帯
なので、
気温
は
低い
と
言う
けれど、
日本
と
余り
変わら
ない
気
がした。
何処
までも
緑
が
少なく
、
丘
はあっても
平坦
なので
広々と
感じ
られる。
国土
が
日本
の1.4
倍
というだけでなく、
平野
の
部分
が何十
倍
もあり
そう
なので
広い
の
だ。
野菜
畑
も
あまり
見当ら
なかった。
2
時間
程
で
古都
トレドに
着く
。
小高い
丘
の
三方
が
川
に
囲ま
れて
いる
ため
、
自然
の
要塞
と
なっ
て
いる
の
だが、
街
を
広げる
こと
が
でき
ず、
新
市街地
は、
はるか
彼方
にある。
旧
市街
は、 15
世紀
の
エル
グレコ
が
描い
た
街
と
余り
変わっ
て
おら
ず、
少し
家
が
建て
混ん
だ
ぐらい
で、
外見
は
昔
の
まま
である。
道
が
狭く
曲がりくねり
、
方向
感覚
が
全然
効か
ない。 「
迷っ
たら
二度と
戻れ
ないよ。」 と
ガイド
が
脅す
。
さも
ありな
ん
。
小高い
所
に、
双頭の鷲
の
門
や、
今
は
学校
の
寮
に
なっ
て
いる
元
宮殿
、
教会
、
大
聖堂
などがある。
石畳
の
道
、
石
を
積み重ね
て
作っ
た
家
は
窓
が
小さく
、
みな
何百
年
も
続い
た
古い
物
で、
廃屋
も
多い
。
小綺麗
な
所
は
大抵
レストラン
や
ホテル
で、
あと
土産物
屋
があるだけだ。
生活
する
場所
は
新
市街地
に
移っ
て
いる
の
だろう。
最初
に、サントトメ
教会
で、
エル
グレコ
の
絵
の
なか
でも
最高
傑作
と
言わ
れる 「オルガス
伯
の
埋葬
」 を
見る
。
狭く
て
暗い
所
に、
これ
1
枚
あるだけなので、
非常に
印象
が
強い
。
グレコ
の
神秘
的
な
信仰
の
深
さ
が
劇画
的
に
表現
されて
い
て、
見る
者
を
引き込む
。
不自然
な
程
の
長身
な
人物
も、
高い
天井
の
教会
の
なか
では、
上
へ
上
へと
天
に
昇っ
て
いく
よう
な
効果
を
高め
て
い
て、
納得
させられる。
街
では、
頭部
が
小さく
、
ひょろりと
背
の
高い
八頭身
以上
の
人
も
散見
されるし、
目鼻立ち
の
彫り
の
深
さ
も
グレコ
の
絵
そのもの
、 という
スペイン
人
がいる
の
で、
思っ
て
い
た
程
不自然
な
絵
ではなかった。
むしろ
ほか
の
絵
が
平板
に
浅く
見え
て
来る
。
次
に
見学
した
聖堂
は、
ゴシック
式
の
豪華
な
内部
装飾
に
ただただ
圧倒
されるだけで
感動
する
もの
はなかった。
祭壇
の
彫刻
群
は
隙間
が
なく
、
金ピカ
で、
教会
が
国
中
の
富
を
掌握
して
き
た
こと
が
よく
解る
だけ。
日本人
の
美意識
とは
相当
に
ギャップ
がある。
天井
が
すごく
高く
作ら
れて
いる
の
は、
天
を
仰ぎ
見る
よう
に
仕向ける
ため
で、
それ
を
支える
太い
柱
が
沢山
立ち並び
、
偉容
だった。
高い
塔
の
聖堂
は、
二つ
作る
筈
が、
資金
が
続か
ず
一つ
だけに
なっ
て
しまっ
た
ため
外
からの
見た目
は
アンバランス
だが、
なか
は
祭壇
が
中心
に
なっ
て
い
て
おかしく
はない。
南米
から
掠奪
して
き
た
金銀
宝石
で
飾ら
れた
宝物殿
は、
執拗
な
程
に
彫刻
で
埋め
尽くさ
れて、
内装
に
美し
さ
はなく、
暗い
なか
、
ステンドグラス
の
薔薇
窓
だけが
輝い
て
見える
。
カソリック
の
信仰
に
強制
と
過剰
な
もの
を
感じる
のみ
だ。
天井
画
が
そのまま
天国
を
見上げる
よう
に
描か
れて
いる
の
だが、
宙
に
浮く
天使
たち
を
下
から
見上げる
と
こう
なり
ますよ、 という
様子
その
まま
に
リアル
な
足
が「ニョキッ」と
突き出
て
いる
の
は
おかしかっ
た。
つまり
下
から
足
、
太もも
を
覗く
図
な
訳
。
ここ
にも12
聖人
の
肖像
画
を
始め
、
沢山
の
グレコ
を
見る
こと
が
出来
た。
悔恨
する
パウロ
の
強い
感情
が
腕
の
筋肉
の
盛り上がり
で
表現
されて
いる
の
も
又
、
劇画
的
だった。
力
(
リキ
)が
入っ
て
いる
絵
だなあ。
外
に
出
たら、
ガイドブック
売り
の
おじさん
が 「シバリョータロ(
司馬
遼
太郎
)も
買っ
た、
安い
よ、 1000
ペセタ
」 と
言っ
て
本
を
押しつける
の
で
買っ
たら、
サービス
に
絵はがき
を
付け
て
くれ
た。 オルガス
伯
の
埋葬
の
絵
と 「
髭
のある
女
」 という
とても
奇妙
な
絵
で、
スペイン
では、
時々
ひどく
おかし
げ
な
もの
に
出くわす
。
その後
、
この
街
の
伝統
工芸
の
工房
を
見学
して、
土産
にダマスキーノという
象眼
細工
の
アクセサリー
類
を
買う
。
小高い
丘
の
上
の
レストラン
で
昼食
と
なっ
た。
オリーブ
、
ジャガイモ
の
オムレツ
、
マッシュルーム
、
ムール貝
、
イカ
の
唐
揚げ
など、
とても
おいしく
みんな
満足
する。
これ
が
小皿
料理
という
もの
らしい。
そして
バス
で
より
高く
、
街
全体
を
見晴らせる
場所
で
写真
を
盛ん
に
撮っ
た。
川
に
架かる
橋
が
絵
の
よう
に
美しい
風景
だ。
家
に
飾っ
て
あっ
た
絵
と
同じ
尾
の
長い
珍しい
青い
鳥
を
川原
で
見かけ
て
感動
する。
また
バス
に
乗っ
て
北上
し、
今度
はチンチョンという
おかしな
名前
の
小さな
村
に
行く
。
何
も
際立っ
た
もの
はないけれど、
村
の
中央
に
闘牛
場
を
兼ね
た
広場
、 ゴヤの
お
兄さん
がいた
教会
がある。「
イザ
ベル
」
女王
から
拝領
したジョセフィーヌ
伯爵
の
地
で、
よく
ある
よう
な
村
だ。
小高い
ところ
から
広々
した
眺め
の
良い
ところ
に
立つ
と、
向こう
の
丘
の
上
に
城塞
がある。
この
あたり
は
大蒜
の
産地
という
こと
で、
写真
屋
でも
何でも
店
の
入り口
には
たいてい
ニンニク
の
袋
が
吊り
下げ
られて
い
た。
村
の
家々
は
外壁
は
粗末
だが、
少し
覗ける
中庭
は
タイル
で
カラフル
に
装飾
されて
い
て
あまり
貧し
げ
ではない。
ところで
、
スペイン
語
では
ニンニク
の
こと
を「
アホ
(
阿呆
)」と
云い
、
牛肉
の
こと
を「
バカ
(
馬鹿
)」と
云う
ん
だって。
ちなみに
私
は
バカ
の
アホ
風味
が
大好き
。
さて
、
又
バス
で
マドリード
に
帰る
。
マドリード
は、
宮廷
の
大きな
庭園
や
公園
、
植物
園
それに
街路樹
の
せい
で
緑
が
多く
、
建物
は
どっしり
と
優雅
で
落ち着い
た
街
に
見える
。
繁華
街
の
中央
に
ドンキホーテ
の
像
と
噴水
のある
スペイン
広場
があって、
そこで
一休み
する。
騎馬
警官
がいる
の
で
添乗
員
が
警告
するほど
治安
は
悪い
よう
には
見え
なかった。
次に
バス
でレパントという
皮革
製品
の
店
に
行き
、
買物
をする。
バッグ
、
財布
、
定期
入れ
など
買う
。
今日
1
日
で
随分
と
お金
を
使っ
た
ため
、
あと
は、
やめ
た
の
が
失敗
だった。
あと
で
これ
以上
いい
お
店
には
行か
なかったから。
その後
青果
市場
で、
ガイド
さん
お
薦め
のチリモジャという
洋梨
の
味
のする
果物
や
オレンジ
、
スモモ
などを
買っ
たり、
ナッツ
を
買っ
て
市場
見物
して
楽しむ
。
メロン
、
ピーマン
など
皆
すごく
大きく
て
安い
。
里芋
や
ダイコン
、
それ
に
初茸
が
たくさん
ある
の
には
驚い
た。
どう
料理
して
食べ
て
いる
ん
だろう。
期待
の
夕食
は、
目抜き通り
にある
レストラン
でパエリャだ。
添乗
員
さん
が
盛ん
に
期待
を
あおる
こと
を
言う
し、
調理場
で
作り方
を
見学
させて
貰っ
て
ワクワク
して
食事
に
臨ん
だら、
これ
が
がっかり
する
不味
さ
で、
日本
の
東北
地方
で
言う
ところ
の「ミッコメシ(
炊き
損なっ
て
芯
のある
ご飯
)」だ。
サラダ
なども
雑
で
美味しく
なかった。
ただ
、
何処
でも
ワイン
は
水
並み
か
水
よりも
安い
ので
夫
は
満足
して
いる
よう
だった。
デザート
は
市場
で
見かけ
た
大きな
メロン
で、
味
は
日本
の
物
より
あっさり
して
い
て
おいしかっ
た。
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