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チュウ太のウィーン日記


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2000年10月3日 火曜日

いよいよ今日から授業の始まり。

私の担当する科目はどちらも今年初めて開講された科目で、しかも自由選択科目なので、果たして何人の学生が来るか心配していたが、6人の学生が待っていてくれた。自己紹介と授業内容の説明を終え、みんなの名前をカタカナで書くところから始めようと思って黒板を見たら、なんとチョークが四角くて、黒板消しはポコポコ穴のあいたスポンジ。授業は、まず、からからに乾いたスポンジを水でぬらすところから始まった。

ウィーン大学の日本語クラスは、みんなオーストリア人だろうと勝手に思いこんでいたら、全く違う。例えば今日のメンバーは、オーストリア人は2人だけで、あとはブルガリア人2人、ウクライナ人1人、そして中学生の時からオーストリアに留学しているという日本人という顔ぶれ。さすがに西欧と東欧との架け橋の役目を果たしている国だと思う。(どんな学生かもっと知りたい方はどうぞ上の写真をクリックしてください。)

この授業の科目名は「応用日本語」だが、「インターネットを使って日本語を学ぼう」という副題をつけることにした。インターネットを活用して自律学習をする方法を学びながら、同時に各自の日本語力を高めていってほしいという私の希望がこめられている。

まず各自に簡単に簡単に自己紹介をしてもらう。簡単といっても、日本語学習歴や日本との関わり方等、聞きたいことがたくさんあったし、学生同士も互いのことをあまり知らず、質問しあったりしていたので、これに30分は費やしてしまった。国籍もばらばらなら日本語学習歴もばらばらで、中級レベルの学生もいれば上級を通り越して、充分超級レベルという学生もいる。

今日は手始めにインターネット上にある「テスト大好き」という学校にまつわる小話集を利用し、インターネットの導入授業を開始することにした。まずは各自で黙読。その間にあちこちからくすくすという笑い声が聞こえてきた。早く読める人ほどそれぞれの小話のおもしろさがわかる。文章を読む早さと理解度とは面白いほどに一致している。

速い学生にはどんどん先を読ませ、遅い学生が最初の5つの小話を読み終わったところで一斉授業を開始した。小話というのは個々の単語の意味が分かっているだけでは駄目で、各々の言葉の意味の広がりや文化的背景がわからないと笑えない。日本語力のまだ低い学生が何とかニヤリと笑ってくれるまで質疑応答を交えながら読んでいった。それぞれの学生の日本語レベルにはかなり差がある。非常にやさしい教材を選んだつもりだったが、やはり外国で日本語学習をしている場合、語彙の絶対量が少ない。そして何より漢字に対する抵抗がまだまだネックになっている。渡されたばかりの新しい教材をその場で読むという作業は、ウィーンで日本語を2年学んだだけという学生にとってはかなりつらそうだった。是非とも早くチュウ太を紹介して、各人が自分のペースで読んでいけるようにさせてやりたい。来週はともかくチュウ太を紹介してしまおう。


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