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チュウ太のウィーン日記 |
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2000年10月10日 火曜日
学生は7名。前回のメンバーのうちブルガリア人1名が欠席、そのかわり、中学2年まで日本にいたという学生と日本の大学の3年に在籍中で、交換留学生制度を利用してウィーン大学に在籍しているという日本人1名が加わった。これで元日本人が2名と現日本人が1名いるというますます面白いクラス構成になった。元日本人のお嬢さん2人は日本語の読み書きには自信がないとのことだし歓迎するが、現日本人については果たして日本語の授業をとっていいものかどうか少々疑問が残る。まあその分、彼には積極的にインフォーマントとして活躍してもらうことにしよう。 今日は早速チュウ太の紹介から始めようと思っていたが、ほとんどの学生が先週やり残した文章をきちんと辞書で調べてきていることがわかり、急遽予定を変更し、最初の30分はその読解にあてた。ウィーン大学の学生達のまじめさには脱帽。何十もの単語の読みと意味とをノートにきれいに書いてきた学生もいる。特に日本語を2年しかやっていないと言っていた学生2人は、どちらもきちんと辞書引きがすんでいる。この調子ならきっとチュウ太も多いに利用してもらえるだろうと心密かに期待する。 小話の読解終了後、これから半年の授業予定を発表した。授業の大きな流れは次の通り。
さて、いよいよチュウ太の登場である。「日本の中学生が皆さんのために書いてくれた意見文を読みに行くことにしましょう」と3台の学生用コンピュータが置かれている日本語学習室に向かう。インターネット自体はみんな使ったことがある様子で、自分たちでさっさとURLを打ち込みReading Tutorのホームページを開く。このホームページに何故ネズミが登場するのかみんなわかるかな。さすがにこれに気づいたのは現日本人と元日本人の3人だけだった。 残り時間も少ないのであれこれ寄り道をせずにまっすぐ教材バンク(英語版)へ行き、小豆島の中学生達からの意見文「私たちの夢、私たちの意見」を開く。右側に辞書が表示されるとあちこちで「すごーい」という声。(ええ、この声を期待していたのです。)
「先生、これは便利ですねえ」と嬉しそうに、次々と単語をクリックして辞書を見ている学生もいれば、左の本文の単語と右の辞書とがリンクしているのがわからず、右の辞書を一生懸命スクロールして単語を探している学生がいる。わかってしまえばなんということはないのだが、文中の主な単語の辞書引きがすべて終わっているとは思わなかったらしい。このあたりは、もっとはっきりと説明する必要があるんだなと反省。 教材自体については、中・上級の学生にとってやさしすぎるのではとちょっと心配していたのだが、わかりやすいし、おもしろいと夢中で読んでいた。しかも日本の中学生が書いた意見文だということが、何より学生たちを惹きつけていた。日本人からの生のメッセージが自分たちにも読めるということ自体がとても嬉しかったようだ。また、小豆島の中学生達が素直な心をそのまま書いてくれているため、「とてもすてきな夢だと思います」「この人はほんとうにやさしい人ですね」と非常に好意的に受けとめていた。 ☆一言メモ☆ 書いた人の存在が感じられる文章は学生達をひきつける。教材提供をしてくださった皆さんに、ここで改めて感謝する。 |
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